joto.jpg

城東小日記

親子観劇会「走れ!メロス」(10月20日)

公開日
2012/10/25
更新日
2012/10/25

校長室より

 20日(土)に実施した学校公開に、多くの保護者の皆様に来ていただき嬉しく思います。各教室では発表会を行ったり、じっくりと問題に取り組んだりする子どもの姿を見ていただきました。本校では協同的な学習を通して、学力はもとより人とつながる力を育む教育を推進していますが、その一端を感じていただけたでしょうか。授業について忌憚のないご意見・ご感想を寄せていただければ幸いです。
 授業参観と並行して実施した親子観劇会『走れ!メロス』について、どのような感想をおもちになりましたか。高学年の部の開演に際して「劇は役者だけで創るものではなく観客と一緒に創るものです。観客がいいかげんな態度で観ていると、役者もいいかげんな気持ちになってしまいます。逆に、観客が気持ちを集中して観劇し、劇中の人と一緒に喜んだり泣いたり考えたりすると、役者のやる気を高め舞台と観客が一体になったすばらしい劇になります。そして観客は、劇中の人生を味わうことができます。」と話しました。 低学年には、もう少し噛み砕いて鑑賞の仕方について話しました。鑑賞態度は文化を愛する気持ちの大きさを如実に表します。低学年からこの点についてきちんと伝え、鑑賞マナーを育むことも教育の役割であると考えます。この点について本校の子どもたちが、文化を愛する気持ちはとても高いことが分かりました。低学年も高学年も実に集中して観劇し、メロスに心を寄せながら観ていることが伝わってきました。
 また、劇を観る視点を与えることで、何となくおもしろかったという感想から、登場人物に自分を投影して観ることができるのではないかと考えます。そこで低学年には「なぜ、走れ!メロスなのでしょうか? 歩け!メロスではいけないのでしょうか?」、高学年には「本当の友達って何だろう? 本当の友情はどんなものだろう?」と呼びかけました。
 劇の中で特に考えてほしかったの場面は後半です。妹の結婚式を済ませたメロスが、身代わりになっている友の信頼に応えるために、疲れた体に鞭うって走り続けます。そのメロスの前に、人を信頼できない王の依頼を受けた山賊が現れ、メロスの行く手を阻み、ナイフでメロスの足を傷つけます。走れなくなったメロスは「自分はやるだけのことはやった、自分は努力したのだ。もう走れない。」と嘆き悲しみます。そこに心の声が「お前は自分のことしか考えていないのではないか。人から信じられている自分がいることを忘れてはいないか。」と語りかけ、再びメロスは走り始めた場面です。この言葉はとても味わい深いものがあります。メロスがはいた弱音も心情としてよく分かります。メロスの態度は決して非難されるものではなく、人を信頼できない王の存在こそが問題なのです。それでも心の声は「人から信じられていることを忘れるな!」と叱咤激励するのです。メロスを信じているのは身代わりになった友ですが、観客にも「信じてくれている人がいることを忘れるな!」とこの劇は訴えていると思います。
 400人以上の保護者の皆様が『走れ!メロス』の劇を子どもと一緒に観ていただきました。子どもの感じ方と大人のそれとは違いますが、視点をもとにこの劇の感想を交流していただけたのではないでしょうか。読書や劇、あるいは映画などは、登場人物に自分を重ね合わせて読んだり観たりするので、それだけ視野が広くなり幅広く考えられるようになります。11月14日(水)には、読書週間に合わせて『お話ポケットスペシャル』を予定しています。“お話ポケット”の皆さんは、その日のために読み聞かせや影絵などの練習に余念がありません。午前中を予定していますので、子どもとの楽しい時間を共有していただければ幸いです。