joto.jpg

城東小日記

思い出いっぱい修学旅行II(5月30日)

公開日
2012/06/18
更新日
2012/06/18

校長室より

 6時起床、快晴、知恩院の三門まで朝の散歩。昼間はとても賑やかなこの界隈ですが、この時間帯はさすがに交通量も少なく、古都のしっとりとした雰囲気を味わうことができました。朝の静寂の中を歩いていると「京都に来た!」という実感が湧いてきましたが、子どもたちはどのように感じたのでしょうか。三門はとても大きく、学年全員が階段に並んで記念写真を撮りました。 旅館の方々に見送られ、8時にバスは発車しました。旅館の方には本当にお世話になりました。旅館は交通量の多い場所に立地しているので、出入りに際して子どもの安全確保と誘導にとても気をつかいますが、旅館の方が大勢が出て交通整理に当たってくださいました。朝の散歩前には、すでに旅館前の道路に打ち水がしてあり、気持ちよく出かけることができました。このようなさりげない心配りを随所に感じることができ、これが“おもてなしの心”だと感心しました。
 バスは順調に走り9時過ぎに東大寺の駐車場に到着しました。混雑を予想していましたが、意外に空いていて、東大寺をバックにしたベストポジションでの学級写真もすんなりと撮影できました(例年、先を争って取り合いをしています)。東大寺の中に入り、高さ15mもある大仏さ
まの大きさに圧倒されつつもゆったりと見学できました。堂内の柱の中に、大仏さまの鼻の穴と同じ大きさにくり抜いた柱があります。いつもは順番待ちの長蛇の列であきらめるところですが、この日は誰も並んでいなかったので、ほとんどの子どもが柱の通り抜けを体験しました。これだけでもいい思い出になったことでしょう。空いているといろいろなことができます。東大寺を出たら班別行動に移り、1時間半ほどかけて奈良公園を巡り昼食会場に集まります。現在は、昔のように並んで見学する学校はほとんどなく、班別でグループ見学するのが主流です。子どもの主体性や関係性を育むことがねらいですが、放任するのではなく、事前に集団行動のきまりや公衆道徳についてきちんと指導しておくことは当然です。そして、子どもたちに、任された限りは、責任のもてる行動で思い出をたくさんつくるという意識を育んでおくことが肝要です。私も京都・奈良の修学旅行を体験していますが、きっと、この子たちは、私の何倍もの思い出をつくっているだろうなと思います。
 東大寺の出口で鹿せんべいを一人2枚ずつもらい班ごとに出かけました。鹿もよく知っていて、東大寺の出口付近にけっこうな数がたむろし子どもたちを待ちかまえていました。鹿に寄ってこられおっかなびっくりでせんべいを与えていましたが、じきに慣れて角や背中を触ったり、グループで記念撮影に収まったりしていました。あいにく正倉院は工事中で見学できなかったのですが、子どもたちは、二月堂・三月堂・鐘楼や若草山などをゆっくり回りました。私も若草山に上りましたが下から見る以上に急斜面でしたが、上からは奈良の街を一望でき、古の雅な人たちも、ここから都を眺めたかと思うとタイムスリップしたような感慨を抱きました。
 昼食後は、子どもたちが楽しみにしていた“買い物タイム”でした。子どもたちは、狭い店内を泳ぐようにして、目当てのおみやげを買い求めていました。実は、買物体験も修学旅行で学習してほしいことの一つであり、品物の代金を払ったり釣り銭を正確にもらったりすること、計画的にお金をつかうことや目的をもって買うことなどを体験を通して学びます。友達と一緒に買物をするので、他がどのようなものを買うのかも参考になります。おみやげを買った子どもたちは、とても満足そうで、修学旅行が終わったかのような雰囲気さえ感じました。
 次は、最後の見学場所である法隆寺に行きました。私から見ると、千年以上も前のものが残っていることに驚きを感じるとともに、貴重な文化財をきちんと残さなければならないと強く思うのですが、子どもたちはどのように感じたのでしょうか。今は分からなくても、何度も見る機会をもつことで日本の宝を大切にする気持ちをもってくれることを期待したいと思います。昨夜、よく寝た子どもたちは、最後まで元気に見学できました。