ちょっといい話
- 公開日
- 2022/10/19
- 更新日
- 2022/10/19
お知らせ
きっと一番励ましてくれるだろう人が誰なのかは、わかってるから
大学時代の同級生仲間で、1年の時から付き合ってるカップルがいて、みんなと仲よくしてました。私は、女の子の1番の友達だったんだけど、彼とも仲よしでした。最後に3人で会った時、「結婚しないの……」って聞いたら、「うん、まあね」と、お茶を濁す様な返事……。
その後、彼女が病気が水頭症のために入院。治療も空しく、彼女は25歳で亡くなってしまいました。お通夜と告別式の時、喪服を着た彼に「何て言っていいか、わかんないよ」と泣きながら私は言いました。すると彼は、「そうだね」と、ニッコリと笑顔で言いました。私は耐えられなくて号泣。出棺の時、「これが最後のお別れです」って式場の人が言った途端、彼は、崩れるようにボロボロと涙を流し始めました。その姿を見て、またしても私は号泣でした。数日後、少し落ち着いてから、彼と会いました。彼は、彼女が昏睡して意識を失う前に書いた最後の手紙を見せてくれました。
「俺はね、アイツを励まそうと思って、『結婚しようよ』って言ったんだ。そうしたら、アイツは『病気が治ったら結婚届けを出そうね』って言ってたんだ。俺は、役所に行って結婚届け貰ってきたんだ。でも、俺は本当はもう無理だって知ってたんだ。そしたら、アイツが死んだ日に、お父さんが黙ってこれを渡してくれた」と言って、私に手紙を渡してくれました。
手紙には、見慣れた彼女の筆跡でこう書いてありました。「うそつき。でも凄く嬉しかった。本当にそうなったらなって何度も思いました。私には、あなたの代わりはもう見つからない。だから私はずっとあなたのもの。だけど、私の代わりはいるんだよ。気にしないでいいからね。落ち込んだあなたを、きっと一番励ましてくれるだろう人が誰なのかは、わかってるから。その人にこの手紙を見せてあげて下さい。本当にありがとうございました。じゃあね!」って……。
私は、あれからずーっと引きずってる彼と仲よくして4年、今度、結婚します。