学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/09/09
更新日
2022/09/09

お知らせ

 始末書数がナンバー1のバスの運転手 

 路線バスに勤めてる友人から聞いた話。
 Aさんという始末書件数がトップな人がいるんだが、そのAさんが運転する路線では、いつも決まった時間帯に盲導犬を連れたおばさんが乗ってくる。おばさんはいつも笑顔で
「おはようございます」等と運転手に挨拶したりするいい人。盲導犬もちゃんとした盲導犬なので吠えたり暴れたりせず、おとなしい。
 ある日、いつもの様にそのおばさんが乗ってきていつもの様に席に座るが、バスが発車してから偉そうなオヤジが運転席の方まで来て、「○○電鉄はいつから車内にペットの持ち込みがよくなったのかね」と、おばさんに聞こえよがしに言い放った。Aさんはそれを聞いて、「ペット?ペットなんてどこにもおりませんが……」とすまし顔。するとオヤジは、「ここに犬がいるじゃないか。ペットだろこれは」と激高。Aさんは、「その犬は、この方の目ですから」と答えた。この時点で車内は「運転手グッジョブ」的な雰囲気に包まれてるのですが、オヤジは引っ込みがつかないのか「それは屁理屈だ。俺は犬のニオイが嫌いなんだ。早くこいつらを降ろせ」と言ったらしい。すると、始末書件数トップのAさん、バスを路肩に停車させ、「金はいらねぇからテメェが降りろ。少し行けば次の停留所だ、あと30分もすれば次のバス来っからよ、それに乗れ」と言ってオヤジを叩き出したという。
 当然その日のうちにそのオヤジからクレーム電話。形式上、Aさんは始末書を書かなければならず、Aさんの始末書件数がまた増えた。が、上司や同僚も含めこの件についてAさんを咎める者は一人もいなかったという。