学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/04/21
更新日
2022/04/21

お知らせ

   ママにしてくれてありがとう 

 大学を卒業して、大手企業に就職したばかりの4月、妊娠が発覚した。「えっ?何で」、これが私の正直な気持ちだった。苦労して入った大学、氷河期に死ぬ気でとった内定、やりたい事、やるべき事がまだ山のようにあった。自身の未来を考えて、即座に堕胎を決意した。産婦人科へ行き「堕ろしますか」と聞かれたとき、なぜか「はい」と答えられなかった。
 それから会社を辞め、主人と話し合い入籍。結婚式や新婚旅行どころか、指輪さえもらえなかった。胎児は順調に育ち無事出産。しかし、ここからが本当の戦いだった。育児は思っていた以上に苦しく、毎日子どもに怒鳴りちらす生活。「お前なんか産まれてこなければよかった」、「お前のせいで、結婚式もできなかった」と、毎日毎日、子どもを責め、旦那を責め、自身を責めノイローゼになった。子どもが1歳になったある日、体調不良で病院へ行った。結果、かなり進行した子宮ガンだった。私は、23歳で子宮を全摘出した。今、息子は2歳になろうとしている。朝起きると自分がご飯を食べる前に、バナナを私の口に入れてくれる。私が朝が弱いことを知った上での行為だ。あの時、堕胎しなくてよかった。子宮摘出手術が終わったその日、私はベッドの上で思いっきり泣いた。嬉しくて、嬉しくて涙が止まらなかったのだ。
 「息子は神様がくれた最初で最後のプレゼント」だと思うと、息子と主人に感謝の気持ちで一杯になった。OOくん、本当にありがとう。産まれてきてくれて、本当にありがとう。こんなにくだらない私を、ママにしてくれてありがとう。そして、ママを選んでくれてありがとう。あなたに逢えて本当によかった。うれしくて、うれしくて、言葉にできない。