ちょっといい話
- 公開日
- 2022/04/18
- 更新日
- 2022/04/18
お知らせ
人前で初めて泣いた
中学に入り気持ちが荒れはじめ、悪い事をたくさんした。バイク、喧嘩、たばこ、酒、知り合いの兄ちゃんに頼みこんで、入れ墨まで入れていきがっていた。警察から毎日の様に電話がかかり、おかんは頭を下げあやまっていた。俺はそれを見て何とも感じない程、腐りきっていた。
そんなある日、おかんが病気になり入院した。白血病だった。それから2年後、おかんは死んだ。数年がたち、俺もやっと落ち着いて、結婚する事になった。ささやかだが、結婚式も挙げた。結婚式も終盤を迎えるころ、ばーちゃんが出てきて、手紙を読み始めた。「だいちゃんへ」と言うタイトルだった。その手紙は、天国のおかんからだった。後から分かった話だが、おかんが入院中に書いてくれたのを祖母に預けていたらしい。俺はボロボロ泣いた。人前で初めて泣いた。
なぁ、おかん。本当ありがとう。俺、おかんの息子でよかった……。