学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/03/04
更新日
2022/03/04

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   意識不明の花嫁に呼びかけ続ける新郎 

 尚志さんと麻衣さんが知り合ったのは10年前。そこから交際をスタートし、2年目に結婚を決意しました。半年後の2007年3月、2人は結婚式をあげる予定でした。結婚式まで3ヶ月と迫ったある日、麻衣さんの記憶が突然なくなり、急遽入院することになりました。入院から3日後、原因不明の病により意識不明になりました。麻衣さんがショックを受けないようにと、尚志さんは結婚式を保留にしました。
 そこから2人の、長い長い闘病生活が始まります。一時は心肺停止になり、一命を取り留めたものの麻衣さんの意識は戻らないままでした。尚志さんは麻衣さんが目覚めることを信じて毎日病院に通い続けました。麻衣さんが眠り続けて1年が経った日、尚志さんは麻衣さんのお母さんに「他の元気な女性を探したら」と、言われました。尚志さんは「もう1度麻衣の笑顔が見たい」と言って、麻衣さんの両親に頼み込みました。
 眠ったまま1年半が過ぎた頃、麻衣さんは目を開けましたが、表情がなく意識はまだ戻ってはいませんでした。尚志さんは諦めずに看病を続け、6年目にとうとう麻衣さんの顔に笑顔が戻りました。笑顔が戻った麻衣さんでしたが、毎日看病していた尚志さんの記憶はありませんでした。それでも尚志さんは、2人で愛を育んでいきました。
 それから2年、必死にリハビリを頑張り「保留」にしていた結婚式でバージンロードを歩くことができた麻衣さん。8年越しに実現できた結婚式で、お母さんに「頑張ったね」と声をかけられた麻衣さんは大粒の涙が止まりませんでした。尚志さんが8年も経って結婚式をキャンセルしなかったのは、「2人で決めたことだから」と……。
 8年という長い長い月日を経て実現できた結婚式は、まさに奇跡と呼べる出来事となりました。