ちょっといい話
- 公開日
- 2023/02/10
- 更新日
- 2023/02/10
お知らせ
うちの娘3才は難聴。ほとんど聞こえない
うちの娘3才は難聴。ほとんど聞こえない。その事実を知らされたときは嫁と泣いた。何度も泣いた。難聴と知らされた日から娘が今までとは違う生き物に見えた。嫁は自分を責めて、俺も自分を責めて、まわりの健康な赤ん坊を産むことができた友人を妬んだ。ドン底だった。
バカみたいにプライドが高かった俺は、まわりの奴等に娘が難聴って知られるのが嫌だった。何もかもが嫌になった。嫁と娘と3人で死のうと毎晩考えていた。ある晩、嫁が俺に向かってやたらと手を動かしてみせた。頭おかしくなったんかと思ってたら、喋りながらゆっくり手を動かし始めた。「大好き、愛してる、だから一緒にがんばろう」手話だった。そのときの嫁の手、この世のものじゃないかと思うくらい綺麗だった。それで目が覚めた。何日もまともに娘の顔を見てないことにもやっと気付いた。娘は眠ってたが、俺が声をかけるとニタッと笑った。
あれから3年。娘の小さな可愛い手は上手に動いてる。喋ってる。