学校日記

ちょっといい話

公開日
2023/02/07
更新日
2023/02/07

お知らせ

   俺には6歳年下の弟がいます 

 貧乏で金にがめつい見栄っ張りな母。酒に入り浸り酔うと暴れる父。どちらもあてにならない親だった。俺はそんな親が嫌で、高校卒業とともに就職して実家を離れた。弟は進学をして高校卒業後は、俺のところから大学へ通っていた。大学のお金は奨学金で、自分で何とかしていた。特に面倒を見ていたわけではないが、食事と生活費、学校でかかる費用とか、ほんと最低限ではあるけどやってきたつもりだった。そしてこの春、卒業して今日家を出ていった。朝ご飯を作り、何の会話もなく、いつもと変わらなかったが、帰ってくると1人で凄く寂しく感じた。シャワーを浴びてベッドに目をやると手紙が置いてあった。

 兄ちゃんへ
 4年間、あっという間だったけど、めちゃくちゃお世話になりました。毎日ご飯を作ってくれて、困ったときはすぐ助けてくれて、そのお陰で自分はここまで来れました。もう毎日味の濃さが変わる味噌汁は楽しめないのかなぁと思うと少し寂しいです。でもチャーハンは大好きでした。恥ずかしいから長々とは書かないけど、兄ちゃんには感謝しきれません。ありがとうございました。

 こんな手紙を読み終えた俺は1人で泣いていた。咽び泣くってぐらい……。兄弟で特に深い会話はしなかったけど、最後の最後で泣かされるとは思いませんでした。「これから頑張ってな」と、それだけメッセージを送り今日はホクホクした気持ちで寝ようと思います。