ちょっといい話
- 公開日
- 2022/11/15
- 更新日
- 2022/11/15
お知らせ
世界にひとりしか居ない、アタシだけの子どもだよ
俺は2年程前にうつ病にかかりました。服薬もしたし、会社も休んだ。でも全然よくならないんだよ。食事も摂れないし、眠れない。苦しくて苦しくて、仕方が無かったんだ。ある夜、「もう無理だ」って思って自殺をしようと決意した。両親が寝静まってから持ってる限りの睡眠剤と酒、それと……。
2月の深夜3時頃だったと思う。家族で過ごしたリビングで最後のタバコで1服して、「さぁ、やるか」と思って。遺書と預金通帳も用意した。暗証番号のメモも置いといた。少ないけれど貯金があるから。葬儀費用とかはこれでまかなってもらおうと。その時、母親の勘かなぁ トイレでもないのに母親が起きてきたんだよね。何故か、俺のいたテーブルの前に座って、置いてある眠剤とかを一瞥して、何も言わなかった、2人とも……。それからどれ位経ったかなぁ。母親が、自分の着てたハンテンを「寒いだろ」って、俺に着せようとするんだよね。「もう子どもじゃないんだから」って言ったら一言。「年がいくつになろうと、アンタはアタシの子どもだよ。世界にひとりしか居ない、アタシだけの子どもだよ」と。年甲斐も無く号泣したよ。
絶対うつ病、治そうと思ったよ。