学校日記

10月26日(水) 奈良県の郷土料理

公開日
2022/10/26
更新日
2022/10/26

給食

奈良茶めし さわらの竜田揚げ 飛鳥汁 柿なます 牛乳  

  奈良県は近畿地方の中央に位置する内陸県です。聖徳太子の時代、奈良には都がおかれ大和朝廷が栄えました。政治的、社会的中心の場所として各地から名産品や様々な技術が集まりました。日本で最初に世界文化遺産に登録された法隆寺をはじめ、春日大社や東大寺など、歴史的建造物が作られた日本文化の原点ともいえる場所です。食文化においても日本の発祥の地とされ、お茶、うどん、酒、豆腐などは奈良にルーツをもつ食材です。

★奈良茶めしは、炒った大豆とお米をほうじ茶で炊いたご飯です。
 東大寺や興福寺などで、お寺に納められるお茶を煎じ、二番煎じ以降のお茶に塩を加えて炊いた米を、一番茶に浸けて食べたのが起源です。お坊さんの献立でしたが、おいしさが庶民のあいだに広まりました。
 給食では、犬山の日比野製茶さんほうじ茶の茶葉から煮出してα化米を加えて炊き込みました。香りの良いほうじ茶と炒った大豆の香ばしさが出ています。

★さわらの竜田揚げ
竜田揚げの「竜田」は、奈良県北西部にある紅葉の名所「竜田川」からきています。 しょう油で味付けして揚げると赤褐色になり、衣の部分がところどころ片栗粉が白く浮かぶ様子を紅葉の流れる竜田川になぞられて名付けられました。

 百人一首でも竜田川の様子を歌った、2つの和歌が有名ですね。

「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは (在原業平)」
「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり (能因法師)」

★飛鳥汁
 野菜と鶏肉をだし汁と牛乳で煮込んだ鍋料理。遣唐使が中国から牛乳を伝えたといわれています。唐から来たお坊さんが、寒さをしのぐため、山羊のお乳で作ったのが始まりです。
紅葉が美しい季節、秋の奈良の風景をイメージし、もみじ型󠄀のかまぼこを加え彩りました。

★柿なます
 奈良県は、全国第2位の柿の産地。柿なますは、おせち料理の定番で紅白なますに、生󠄀の柿や干し柿を刻んで作ります。柿の自然の甘みが砂糖の代わりになっているともいわれています。平安時代には食されていた歴史の古い郷土料理です。
今月は、柿を使ったメニューを2つ、犬山のほうじ茶を使ったメニューを2つ紹介しました。

ほうじ茶、柿、人参のコントラスト、香ばしい食感と色の竜田揚げ、もみじで彩ったあすか汁、紅葉していく古都奈良の郷土を給食で表現しました。
味わって食べてください。