ちょっといい話
- 公開日
- 2022/06/28
- 更新日
- 2022/06/28
お知らせ
お母さんへ
社会人になって、初めて迎えた母さんの誕生日。「いつもありがとう」ってプレゼントを渡したかった。でも照れくさいし、もし選んだプレゼントが、気に入ってもらえないと怖かった。だから「選ぶの面倒から」って、嘘ついてデパートに連れて行って「何でもいいから適当に買えよ」とぶっきらぼうに言うと、「高いエプロンだけどいい」とおずおずと見せにきて、値札を見たらたった3、000円。「こんな安物かよ」と、ひったくって後ろ向いて、泣きそうな顔を見られないようにレジに走った。「服でもバックでも、他に何でもあるだろ、財布の中に給料全部入れてきたんだぞ」って……。涙が出たけど、トイレで急いで顔洗って、素知らぬ顔で袋を渡した。そしたら、母さんがうれしそうにそれを抱きしめたのを見て、また泣きそうになった。
今でも帰るたびにそのエプロンつけて飯作ってくれて、ありがとう。ほんと美味いよ。世界一だ。いつも素直になれなくてごめん。マザコンでもいいよ、母さん大好きだ。