ちょっといい話
- 公開日
- 2022/05/30
- 更新日
- 2022/05/30
お知らせ
親孝行をしてきたつもりだった……
母のおなかを殴った記憶がある。小学校5年生の授業参観だったかな?。体育の授業で、親も参加してのドッジボール。ルールは「親に当たっても退場しない。子に当たったら親と一緒に退場。復活なし等……」って感じだったかな?今考えると、俺の母は太った体で俺のことを守ってくれてたんだな。でも、当時の俺には邪魔してるようにしか思えなくて……。母が邪魔でゆるいボールをキャッチできなくて、悔しくて母の腹を殴った。その時母は、顔をにっこり笑って「ごめんね」って言ったのよ。
その日以来、母に親孝行は、してきたつもりだった。
先月なんだけど、小4の息子にハラ、殴られたのが目茶苦茶痛かったのね。肉体労働のこの俺が……。でも本当に痛かったのは、母を殴った思い出と、「親孝行してきました」なんて思って生きてきた俺自身、泣いたよ。息子、びびってたね。でも思春期になったら、コイツ俺のことナメて来るんだろうな。そのとき、俺はどうするかわからんが、あの時、母はにっこり笑ったんだったな。
母はまだ元気だ。でも、過ぎた日を取り戻す親孝行なんてできない。母は、生きてんのに、生きててくれてんのに……。だから、この辛さを一生胸に刺したまま 母と、この体に流れてる血と、そしてこの血脈を継いでくれた妻と息子の幸せを、一生懸命考えるよ