学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/03/18
更新日
2022/03/18

お知らせ

   お前さぁ、目見えねぇんだろ

 俺はセイコーマートで働いて3年目になる。いつもくる小さな子の話をひとつ。
 その子は生まれつき目が見えないらしく、白い杖をつき母親と一緒に週に2、3度うちの店を訪れる客だった。ある日、その子が1人で入口の前に立っている。入口のドアが引くタイプだったので、俺はドアを開けてあげようとした。その瞬間、同年代らしき糞ガキ2人が「お前さぁ、目見えねぇんだろ。素直に親、帰ってくるまで家でおとなしく留守番でもしてろよ。バカだなぁ」と言った。さすがの俺も、障害をもった人間に冷たくする人間は許せなかった。糞ガキ2人に説教しようと入口に向かったその時、ガキの片方が、「ほら、先に入れよ。ドア開けといてやるからよ。」と言った。そして、その子の手をつなぎ、「何買いに来たんだ」と2人組の片方が言うと、その子は「お母さんがすごい熱が出てるの。だから水枕に入れる氷買いにきたの」と言った。そして、レジまで氷を持ってきたガキ達に「398円です」と言うと、2人組が「いいよ。俺が出しといてやるよ。そのかわり、お前のお母ちゃんがよくなったら俺たちと遊べよな」と言い、会計をすました。そして、きっとその子の家までだと思う。ガキの片方が氷をもち、もう一方は、その子の手を繋いで帰っていった。
 小さな子ども達の友情に感動!