学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/03/17
更新日
2022/03/17

お知らせ

   お地蔵様の左耳 

 私は小さい時から中耳炎で、しょっちゅう耳が痛くなって治療のために耳鼻科に行っていました。小学校に入ると、私が耳鼻科に行くために学校を休んだり、早退したりすると、クラスの子に「病気でもないのに、授業を受けたくないから仮病を使っているんだ」
と散々からかわれて辛い思いをしていました。うちの母は、片耳が難聴で聴こえないんですが、(母方の)おばあちゃんが、それを気にしていつも「ごめんね、お母さんの耳が悪いから○○ちゃんの耳も悪くなってしまって」と私に謝るのです。
 小学3年生のある日、おばあちゃんが急にうちに遊びに来て「これから巣鴨に行こう」と言い出しました。当時は子どもすぎて、巣鴨に何があるなんて知らなくて、ただおばあちゃんと出かけるのが嬉しくてついて行きました。巣鴨に着くと、おばあちゃんは長い行列に並んで「ここはとげぬき地蔵様があるんだよ、お地蔵様の自分の体の悪いところを洗うと身代わりになって治してくれるの」と言いました。私たちの順番になるとおばあちゃんはシワシワになった手でタワシを持ってお地蔵様の左耳をゴシゴシと擦りながら「○○ちゃんの耳がよくなりますように」と一生懸命洗ってくれました。帰りにおばあちゃんは「あんみつ食べて行こうか」と言って一緒にあんみつを食べました。
 おばあちゃんは6年ほど前に亡くなったんですが、おかげで今では中耳炎もよくなり、
ここ5年は中耳炎で耳鼻科に行ったことが1度もないくらいになりました。おばあちゃん、中耳炎、よくなってきたよありがとう。