ちょっといい話
- 公開日
- 2022/01/19
- 更新日
- 2022/01/19
お知らせ
旅行に行こう
自分が高1の時に祖父が他界した。その5ヶ月くらい前に、家族に「祖父と祖母も一緒に旅行に行こう」って言われたんだけど、そのときの自分は、「ただ面倒だ」と言う理由で行かなかった。それからしばらくして、祖父が入院したのだが、それ以前にも入退院を繰り返していたから、「今回もまた退院するだろう」、「旅行はそのときに行けばいい」と思っていた。
でも祖父は退院できなかった。最期を看取ったのは、家族では自分と祖母だけだった。
そのときに病院へ行ったのも、ただ、その日の朝に母に「たまには見舞いに行け」と言われたからだった。だから、いつもみたいに見舞いをしてジュースでも買ってもらって帰るつもりだった。病室に入ったときには、すでに最期が間近だったように思う。その時は、正直泣けなかった。何が起こったのかよく分からなかったし、あの祖父が死ぬわけないって思っていたから。
火葬して、お骨を拾ってやっと祖父の死を実感したように思う。その後家に帰って、祖父が死んでから初めて泣いた。最期をちゃんと看取れなかったこと、あの時祖父と旅行に行かなかったことを、今でも死ぬほど後悔している。
