学校日記

アフターコロナのその先へ3

公開日
2020/06/02
更新日
2020/06/02

桜下村塾

 コロナ禍の前と後では、何が違うのでしょう?
 一番大きな点は、何気ない日常の中にあった日々の「幸せ」に、人々が気づけたことではないでしょうか。「幸せ」とは、失ってみて初めて気づくことができるようです。あまりにも、当然のことで、疑うことも、気づきすらしなかった日常の暮らしの中に、実は大切な大切な「幸せ」が埋没していました。それは、学校に通うことだったり、家族と過ごす時間だったり、友達や近所の人との会話だったり、毎日の給食だったり、自分を見守ってくれている人がいることだったり…。
 みんな新型コロナウイルスが悪いんです。我々から日常の暮らしを奪ったのはウイルスです。多くの大切な命も奪われました。でも、皆が忘れていた日々の「幸せ」をあらためて認識するきっかけになったのも事実です。学校や保育園・幼稚園・児童クラブがあることで、保護者の皆さんは安心して労働する時間を確保することができる。実は経済活動を進める上で、教育機関は重要な役割を担っていたんですね。学校に通うことが日常的すぎて…。盲点でした。
 さらに、教育の可能性と限界を垣間見ることができました。「生きる」こと、「健康」であることは「学ぶ」ことよりも上位に位置し、学校で学ぶこと以上に「命」は大切であり、守る必要があるということ。全国の小中学生が一斉に1ヶ月半もの間、家庭学習を強いられる共通体験をしたことで「生きる」ことの大切さに、あらためて気づくことができました。これほど全国民が「生きる」ことについて深く考える機会は、先の大戦末期以来のことなのではないでしょうか。
 今、少しずつ、普段の日常的な生活が戻りつつあります。この日々の何気ない「幸せ」を、しっかりかみしめながら、日々の教育活動は進んでいきます。