五味先生からロンドン便りが届きました
- 公開日
- 2024/02/21
- 更新日
- 2024/02/21
学校日記
今日も1日雨の予報ですね。また気温が下がるとも言われています。健康管理にいっそう注意して過ごしたいものです。
五味先生からロンドン便りが届きました。
ここからも→ロンドン便り第12号
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皆さん、お元気ですか? ロンドンはずいぶん日が長くなって、朝7時の出勤時には、ほんの少しですが明るくなってきました。そして午後5時ごろ暗くなるようになりました。これが夏至のころになると、朝3〜4時に日がのぼり、夜9〜10 時に沈むようになります。これからどんどん日が長くなりますが、相変わらず曇り空が基本で、しばらく肌寒いでしょう。
さて先日、Eaton 校などと並ぶ超名門校「HALLOW SCHOOL」の見学に行ってきました。その歴史は古く、エリザベス1世が創立を許可したのが、1572年、織田信長が比叡山延暦寺を焼打ちした翌年のことです。歴史ある建物の壁には、そのエリザベス1世の像が立っていました。奥に建つオールドスクールには、創立当時の教室が残っていました。ハリーポッターの授業風景も撮影された、狭くて薄暗い教室に入っていくと、こい茶色の壁板に、卒業の際に生徒が彫っていった名前が、たくさんありました。その中には、あのチャーチル元首相のものもあるのだそうですが、いかんせんたくさん彫ってあるので、ガイドさんも確かこの辺りだと言うだけで、はっきりとは分かりませんでした。しかし他にも劇作家のシェリダン、郵便ポストの創始者のタルボット、元首相のピール、そしてあの有名な俳優、ベネディクト・カンバーバッチも、ここの卒業生なのです。ただ、壁一面の名前から彼らの名前を探すのは至難の業です…。
卒業生の中の第1 次・第2 次世界大戦の犠牲者を弔っているメモリアルホールを入っていくと、大きなスピーチルームがあります。すり鉢の底のようなその部屋では、毎週月曜日の朝、全校生徒が集まり、校長先生のお話を聞くのだそうです。階段状の生徒席を上がった先の壁にはこの学校が輩出した7 人の首相の額が飾ってありました。もちろんチャーチルのもありましたが、ヨルダン国王の息子やインドのネール元首相のものもありました。その部屋の威厳ある様子に、「おぉ、ここに未来の世界的リーダーが集うのだ」と思い、ただただ見とれるのみでした。壁のステンドグラスも見事でしたよ。なお、階下にへこんでいる部分に板をわたして舞台とし、そこでシェークスピアの劇を上演するのも、ここの定番だそうです。きっと「本物」を観るのでしょうね。ここには現在13 歳〜18 歳ま
での男子生徒が約1,000 人世界中から集まり、11 ある寮に分かれて生活しているのだそうです。そしてその寮長は特別な存在として、専用の会議室まであるのです。そこで学生の自治、そしてHALLOW SCHOOL 精神について、話し合っているのでしょう。すごいですね! なお、気になる学費ですが、年間£16,850(約320 万円)だそうです。そこには食費、授業料、教科書、文具費、洗濯代が含まれていますが、その他に保証金として£3,000(約£57 万円)払い、さらに補習授業や実技講習等、追加授業料が必要な場合には、追加料金がかかるのだそうです。ちなみに見学自体もビジネス化しており、一人£10(約1,900 円)で、10 人以上の団体を受け付けています。ロンドン郊外の小高い丘の上にあるそこは、まさに世界を引っ張るエリート集団の養成所です。そこを見学できたことは、イギリスに来てよかったと感じることの一つになりました。