卒業に寄せて 五味先生からのロンドン便り
- 公開日
- 2023/03/20
- 更新日
- 2023/03/20
学校日記
素晴らしい青空が広がっています。今日は卒業式。
ロンドンからも卒業お祝いのメッセージが届きました。
ここからも→ロンドン便り11号
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皆さんお元気ですか? 本日は卒業式ですね。卒業する皆さん、そして保護者の皆様、おめでとうございます。思えば、皆さんが3年生だった2月末からコロナに振り回され、以前と同じような学校生活が送れないので、不満を感じたこともあったことでしょう。また、友達と触れ合うことすら、ためらうこともあったことでしょう。それでも「強く 正しく 美しく」の学校目標のもと、明るく笑顔あふれる学校生活を送れたからこそ、今日のよき日を迎えることができたのでしょうね。この先は、今までよりさらに自分で考え、自分で道を切り開いていくことが多くなります。時には悩み、苦しむこともあるかもしれません。しかしそんな時は一人で悩まず、周りを見てください。きっとあなたに寄り添ってくれる人がいるはずですよ。だから胸を張って、自分の道を歩いていってください。
さてロンドン日本人学校では、小中学部合同卒業式を3/14(火)に行いました。イギリスでは、とっくにマスクの規制はないので、体育館に集まった300 名を超える誰もが、コロナ前と同じスタイルの卒業式に臨みました。今回私は、卒業式の、いわば総合プロデューサーだったので、計画や準備から当日の式、そして片付けまで、本当に気をつかいました。今は、無事に感動的な式を終えることができ、ホッとしています(小6担任だった去年より、よほど疲れました…)。そして3/16(木)には修了式・離任式を行い、今年度が終了しました。卒業式もそうですが、修了式をもってロンドンを去る児童生徒は、とても多いです。小2の私のクラスでも、1/3 は帰国します。特に中3の卒業生のほとんどは、イギリス以外の国の学校に進学するので、この日をもってロンドンを去る生徒も多くいます。大半を占める日本の学校に進学する生徒も、今後は、なかなか会うことができないことでしょう。また3年間勤めた先生方も帰国し、日本中に散らばったそれぞれの地に戻ります。もうその先生方と児童生徒が会うことは、よほどの縁がない限りありえません。「もう2度と会えない」、そんな言葉が頭に浮かぶ、日本人学校ならではの卒業式や修了式、離任式でした。春になると、また新しい児童生徒や先生方を迎え、令和5年度が始まりますが、来年度は、私にとってもロンドンでの最後の年になります。よい1年にしたいものです。
最近のロンドンは、野菜不足に苦しんでいます。2月はじめ頃から、スーパーには、トマトやキュウリ、パプリカなどが、全く並んでいません。先日、近くのトルコ人経営の八百屋に行って、久々にトマトを買いました。すると何と、ミディアムサイズのトマトが、1パック800 円! なじみの店なので「トマト高いよねぇ」と言うと「全く品がないんだよ、だから高くてもしょうがないんだ」と言われました。なぜこんなに高いのかというと、冬場のイギリスは農産物をスペインや北アフリカから輸入しています。ところが昨年の夏は、ここイギリスでも観測史上初の高い気温だったり雨が全く降らなかったりしたのですが、スペインや北アフリカは、もっと深刻な状況でした。だから全く作物が育たなかったのです。さらに、ハウス栽培の野菜も、ウクライナ戦争の影響で、光熱費の爆上りを受け、採算が取れないから、作るのをやめたという農家が多のです(私ですら、ガス料金が昨年より約2倍になって、苦しんでいます)。しかもイギリスはEU を離脱したので、EU 内の取引に比べ、手続きが複雑で多くなり、しかも輸送料がかかるので、産地の国からは敬遠されているのです。先日、地元のレストランでは「サラダにはトマトとキュウリを入れることができません」と表示されていました。本当に、ロンドンは物価が高いです。しかしロンドンは、寒いことと物価高以外、何も文句のない素晴らしい街です。その大好きな街から、今年度最後のロンドン通信を送ります。来年度もまた、旬の話題や、外国ならではのエピソードを伝えたいと思います。1年間ありがとうございました。