五味先生からロンドン便り 第10号
- 公開日
- 2023/03/06
- 更新日
- 2023/03/06
学校日記
きぼうの森では梅の花が満開を迎えています。今日は暦の上では「啓蟄(けいちつ)」土の中で眠っていた虫たちも穴から外に出てくる頃となりました。ロンドンは曇り空が多くまだまだ寒いようです。五味先生からロンドン便りをどうぞ!
ここからも → ロンドン便り10号
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皆さんお元気ですか? 日本も寒いでしょうが、ロンドンも寒いです。さほど気温が低くない日でもずっと曇り空なので、いつも肌寒さを感じます。私も2週間ほど体調を崩し、咳や鼻水が止まらなかったので、久々にマスクをしました。その時はコロナを疑いましたが、検査を何度やってもネガティブだったので、ただの風邪だったようです。さて、日本でも、いよいよマスク規制がなくなるようですね。ここロンドンでは、1年以上前から、コロナ対策でマスクをしている人は、ほとんどいません。全くのビフォアコロナの生活です。かといって、コロナ患者がいないのかというと、そうではなく、2月中旬の1週間で患者数2万人以上、死者400 人余りという状況です。イギリス政府は、基礎疾患がある人以外、もうコロナのワクチン接種は行わないという方針を出しました。これはヨーロッパ全体の動きでもあります。完全にウィズコロナです。
先日、ロンドン通信7号で紹介した、スパニッシュ校を訪問してきました。ロンドン日本人学校からバスで20 分ほど離れた、あの有名なノッティングヒルに、その学校はありました。特に土日には、路上にたくさんの店が出て、街全体が巨大なマーケットになることでも有名ですし、ジュリア・ロバーツ主演の映画「ノッティングヒルの恋人」の舞台としても有名です。(私も、落ち着いていて上品なこの街が、大好きです。)
スパニッシュ校には、日本でいう幼稚園の年少さんから高校1年までの400 人ほどいるそうですが、前回同様、小学2年生同士で交流しました。歓迎会の後、前回と同じペアで遊びましたが、互いに英語とボディーランゲージで、すぐに仲良くなりました。その後の、日本の学校にはない、おやつタイムでは、校内のカフェで作った揚げたてのチュロスとチョコディップを全員いただき、幸せな笑顔一杯になりました。(さすが本場、美味しかったです。)それからは、3つのワークショップに分かれてグループごとに活動しましたが、ここでもさすがスパニッシュ校、その一つに、フラメンコ体験が入っていました。舞台に立っているダンサーは、担任の先生と2人の子どもです。私も体験してみましたが、ステップは分かりましたが、手のふりをつけると、どうしてもぎこちなくなってしまいました 。あのしなやかな手の動きや腰の使い方も、文化と言えるのでしょう。
それから昼食ですが、既に時刻は1時半。やはりシエスタの国、時間の流れが緩やかです。日本の子どもたちは持参したお弁当、相手校の子どもたちはスクールランチのハムやチーズのはさまったバゲットでしたが、私たち担任は、カフェで作ったスペイン風コロッケや生ハムとチーズ、そして何と炊き立てのパエーリアが出されました! スパニッシュ校に来てよかった! 心の中でそう叫び、熱々のパエーリアをいただきました。当然、文句のないおいしさでしたが、パエーリアを待っていたので、この昼食時間がずいぶん長くなってしまい、引率責任者の私としては、帰校予定時刻を過ぎたことが気になってしまいました。しかし、この交流のために、準備も大変だったことでしょう。心を込めて歓迎してくれたありがたさを感じながら、学校に到着が遅れることを電話しました…。最後、双方の子どもたちは、笑顔でお別れできました。コロナ期を除き、毎年行われているスパニッシュ校との交流、いい伝統です。国は違っても、相手を思いやり、おもてなしをする気持ちや尊重する気持ちは変わりません。今回の2回の交流を通して、国際社会に生きる子どもたちには、それを感じ、互いに協調する気持ちを育んでほしいです。