東小日記

五味先生からのロンドン便り

公開日
2022/08/19
更新日
2022/08/19

学校日記

 夏休みも残りが少なくなってきました。健康管理をしながら、9月からの学校生活に備えて生活リズムを整えて過ごしましょうね。
 イギリス ロンドンの五味先生から、お便りが届きましたよ。

 ここからも→ロンドン便り 4号

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 出校日も終わり、夏休みもあと2 週間ほどになりましたが、皆さんお元気ですか? ロンドン日本人学校は、東小より3日遅く終わり、1週間早く始まります。なぜ夏休みが短いかというと、教員も児童生徒もたくさん入れ替わる春休みを、日本より10 日ほど長く取ってあるからです。そうすることで、転出生や転入生も、余裕をもって学校に通えるようになっています。
 日本からこの夏、「豪雨」か「高温」のどちらかの気象警報が、私のスマホに頻繁に入りました。何か、日本が亜熱帯化している気がします。以前住んでいたクアラルンプールは、まさに1年中そんな天気で、高温多湿とはこのことだと言わんばかりの毎日でした。
しかし今年は、ロンドンも暑かった! 去年の夏休みは外出時、長袖Tシャツの上にセーター、その上にウィンドブレーカー、長ズボンというのがお決まりの格好でした。ちょうど今頃行ったスコットランドは、そぼふる雨に打たれ、寒さに震えるほどでした。ところが今年は、ヨーロッパの熱波がそのままイギリスにも届き、7/18 と19 には、観測史上最高の40度まで、急に気温が上がりました。前代未聞のことに、イギリスは当然大騒ぎになりました。現地の学校は軒並み臨時休校となりましたが、日本人学校は、授業後の部活の中止以外、ふつうに授業を行いました(緯度が高く、日の長い夏場のイギリスでは、最高気温は午後4時や5時です)。学校にはクーラーも扇風機もありません。120 年前に建てられた校舎の、ほんの少し開くだけの窓を開けても、熱気がこもって汗をじんわりかきました。もとよりイギリスには、デパートやホテル・スーパー以外、クーラーがほとんどありません。地下鉄にもバスにも、駅にもないのです。TfL(ロンドン交通局)からは、暑い日が続くので地下鉄・バスの利用を自粛せよ、どうしても乗車する場合は、必ず水を持っていくようにというメールが来ました。今までは車内にクーラーは要らなかったのでしょう、扇風機すら見かけませんし。その後、いったん平温(25度前後)に戻ったロンドンでしたが、8月に入って10 日ほど、30度ぐらいの日が続き、参ってしまいました。ただ日本と違って湿度がないので、日陰に入ると風が涼しいのが救いでしたが…。
 しかし今年のイギリスの天候は、異常です。熱波だけでなく、ここ2カ月ほど、雨が全く降っていなかったのです。ニュースではテムズ川の源流が今までより下流地点に移ったとか、テムズウォーター(ロンドンの水道局)からは、ホースを使っての植物への水まき、洗車、テラス掃除を禁止するというメールが届きました。我家の前の街路樹は、巨木の葉が見事に茶色に枯れて、散っています。そういえば今年は、異常に暑いからでしょうか、ほとんどリスを見ません。去年はそこでよく見、その姿に癒されていたのですが…。
新聞に載っていた衛星写真を見て驚きました。「BAKED BRITAIN…こんがり焼けたイギリス」という見出しで、ブリテン島の多くが衛星から見るとサハラ砂漠のようだというショッキングなものでした。1935年以来の記録的な雨不足と高温で、イングランドとウェールズは高温と水不足の警報が出されています。また自然発火の山火事も各所で起きているそうです。幸いなことに今週、久々の雨が降り気温も下がったので、また毛布を着て寝るという日々に戻りました。日本の皆さんからしたら「甘いぞ、イギリス!」ぐらいのことかもしれませんね…。