東小日記

五味先生ロンドン便り No.8

公開日
2021/09/06
更新日
2021/09/06

学校日記

 五味先生ロンドン便りがとどきました。欧州の歴史を感じるお便りです。興味のある人はもっと調べてみるとよいですね。

 ここからも→ロンドン便り No.8


☆☆☆

 皆さんお元気ですか? 犬山でも学校が始まりましたが、タブレットを使っての授業やオンラインの授業が当たり前になってきているようですね。すばらしいことです!
ロンドン日本人学校も小4以上中3まで、一人1台ずつi-Padが配付され、日々の授業で使っています。(もちろん毎日家に持ち帰っています。ちなみに小3以下は、学校備品のi-Padが30台ほどあるので、それを適宜使っています。)
中1の夏休みの課題として、「ロンドンをもっとよく知ろう」という総合の課題が出たのですが、生徒はそれをGoogle Driveの中1フォルダーに提出し、その後、互いの作品を新学期になってから見合い、相互評価をシートに記入するということに取り組みました。私もICT推進委員として、Google Slideで「ローマ時代からの都市、ロンドン」という作品を作り、中1の参考例としてアップしました。実は2,000年前にローマ帝国が造った城壁が、今もロンドン中心部に残っているのです!(生徒のために作っていたのが、調べていくうちに結構はまってしまいました。笑)

 調べていて分かったのですが、中世ヨーロッパを恐怖に陥れた「ペスト=黒死病」から、この壁のおかげでロンドンは脱出できたようです。
 どういうことかというと、当時のロンドンの衛生状態はひどいもので、ネズミを介してペストが蔓延したのですが、1666年のロンドン大火で、壁の内部が8割以上焼き尽くされたそうです。これにより街が浄化され、疫病から逃れられたのだといいます。
街の8割以上を焼きつくしたロンドン大火の後、木造の家が石造りに変わりました。石造りの家には隙間が少なく、ネズミにとっては住み心地が悪くなりました。また、人々の免疫力が高まったこともよかったと言われています。なお、このペストにより、耕す人がいなくなった多くの田畑が森林に戻ったことで、気候変動(小氷期)が発生したとも言われています! 人も自然も地球も、大きな影響を受けたのです。
 その後、壁は修理と再建を経て、1760年から67年の間に、ほとんど全て取り壊されましたが、一部ですが、新しく建てた建物に取り込まれたものもあります。それが現在も見られる「LONDON WALL」です。現在900万人が住むロンドン、その歴史は、2,000年前に侵攻してきたローマ人が礎を作ったのですね、すごい歴史です。