ちょっといい話
- 公開日
- 2022/12/15
- 更新日
- 2022/12/15
お知らせ
胸張って保育園の先生するよ
桜咲く前に、保育園を晴れてリストラになるんですが、こっちから「願下げだい」ってぐらい始末の悪い保育園だった。でもねぇ……、子どもは可愛いのよ。その別れが堪らなく切ないのです。うちは子宝に恵まれず、なおさら愛おしくて指折り「後何日こうして抱っこして眠らせてやれるだろう」と思うと、それだけが悔しくてなりません。昨日は、結婚記念日で出掛けました。連れ合いがトイレに行き、ふと独りになってしまうと思い出して溢れそうな涙を堪え、待ちました。
すると、私の父ちゃんから着信有り。「んもぅ、空気読んでよ」と思い、自宅にかけ直すと母ちゃんが出た。ひとしきり話して「お父さんと替わってやるね」とバトンタッチ。ほろ酔いの父ちゃん(大工で、頑固で、兄と姉に厳しく、私に甘い)、「昨日は誕生日だったろ、おめでとう。焼酎飲みよったら忘れとった。だけん今日掛けたったい」だって。私、31のバースデーでした。
孫も見せてやれない、リストラ娘なのに……。父ちゃん、ありがとう。やっぱあんたの娘でよかった。愛情も沢山もらった。曲がった事は許せない所はそっくりだ。だからこそ保育士になったんだね。また胸張って、保育園の先生するよ。大工は一生修業。保育士も一生修業。父ちゃん空気読みすぎ。これがあって吹っ切れました。