学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/05/20
更新日
2022/05/20

お知らせ

   胸張って保育園の先生するよ

 桜咲く前に、保育園を晴れてリストラになるんですが、こっちから「願下げだい」ってぐらい始末の悪い保育園だった。
 でもねぇ、子どもは可愛いのよ。昨年の4月、生後2ヶ月、早産で小さかったあの子が、今では呼び掛けると体一杯で応えくれて最高の笑顔を見せてくれる。途中、乳児院に預けられ退園しても「わがまま言わず、ちゃんとミルク飲んでるか」心配したよ。だからまた再園して来た時は嬉しかったし、ホッとした。その別れが、たまらなく切ないのです。うちは子宝に恵まれずなおさら愛おしくて、「あと何日こうして抱っこして、眠らせてやれるだろう」と思うと、悔しくてなりません。
 そんな事を考えてたら、私の父ちゃんから着信有り。「んもぅ…空気読んでよ」と思い自宅にかけ直すと母ちゃんが出た。ひとしきり話して「お父さんとかわってやるね」とバトンタッチ。ほろ酔いの父ちゃん(大工で、頑固で、兄と姉に厳しく、私に甘い)「昨日は誕生日だったろ?おめでとう!焼酎飲みよったら忘れとった。だけん今日掛けたったい」だって…。私、31のバースデーでした。孫も見せてやれない、リストラ娘なのに……。父ちゃんありがとう。やっぱあんたの娘で良かった。愛情も沢山もらった。曲がった事は許せない所はそっくりだ。だからこそ保育士になったんだね。また胸張って保育園の先生するよ。
 大工は一生修業。保育士も一生修業。父ちゃん空気読みすぎ!これがあって吹っ切れました。