学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/04/12
更新日
2022/04/12

お知らせ

   初産で感じる母親の気持ち 

 実家に、84歳のばーちゃんがいる。口も手足も達者なので元気なのはいいのだが、ボケが進んで、もうほとんど普通の会話は期待できない。
 最近、ちょっと立て続けに実家の母に娘(五カ月)を預けることがあり、ばーちゃんにも何回か会った。ばーちゃんは、私のことはほとんど覚えてないけど、娘のことは覚えてるみたいに話す。「このあいだより大きくなったなぁ」とか「今日の服は前のより似合ってるなぁ」とか。ボケはじめてから、ちょっと癇癪もちみたいになってたばーちゃんだから、「子どもには愛想いいんだな」とか、「自分のひ孫だって理解してないんだろうな」とか、いろいろ思った。するとおばーちゃんは私に向かって、「子どもがおったら、自分のことが何にもできんで大変やろ」とか、「家事なんかそこそこでいいんや、子どもの面倒さえ見てたらええ」とか、「この世に産み出したのはあんたや、あんたはエライよ」とか、「今たいへんかもしれんけど、もう少ししたら楽しいと思えるようになるから、がんばりよ」とか、何かとても優しいことを、たくさんたくさん言ってくれた。旦那は育児にノータッチで、緊急帝王切開だったからいろいろ自分もたいへんで、そんな中、育児に奮闘してたから、ばーちゃんの言葉がすごく沁みた。
 ボケてわがままになって手がかかるばーちゃんだと思ってたけど、ばーちゃんも子どもを4人育て上げた中で、いろいろ苦労があったんだろう。昔は今より家事もラクじゃなかっただろうし、ばーちゃんは戦時中にも子育てしてたから、よっぽどだったろう。それでも、初産で感じる母親の気持ちは、共通のものがあるんだなあ。すごく感慨深くなった。