学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/01/31
更新日
2022/01/31

お知らせ

   60年後の真実

 私は60歳になった時に、赤ちゃんだったときに病院で取り違えられたことがわかりました。1人の兄と1人の姉と母親という家族構成の母子家庭で育ちました。中学を卒業してからは、高校に行かずそのまま働き始めました。父親がいなくて貧乏な家庭だったので、高校に行く余裕がありませんでした。仕事を転々として、今はトラックの運転手として働いています。給料は多くはありませんが、食べていくには困りません。
 60歳になったある日、私の家に一通の手紙が届きました。その手紙には以下のように書かれていました。
 60年前に病院で取り違えられており、本当は別の家の長男とのこと。父親は不動産業を営み、裕福な家庭の長男として生まれた。何らかの理由で病院で取り違えられてしまい、今に至る。
 その手紙の送り主は、私の弟と名乗る人物からだった。自分は不動産屋の長男として、本来は後を継ぐはずだったとのこと、兄弟は全員大学を出ており、それ相応の仕事に就いていることなども書かれていた。以前から長男が弟たちに協力的ではなく、容姿も異なることを疑問に思い、自分たちで調べた結果、この事実が判明したとのこと。
 自分は取り違えられたせいで、不遇な人生を送ってきたと思っています。でも、今の人生が自分の人生だと思っています。60年分の時間を取り戻すことはできないからです。60代になった今、これから地位や名誉やお金を得たいとは思いません。そのような気持ちを弟たちに伝えています。今は、弟たちと時々会ってお酒を飲むのが楽しみです。