学校日記

ちょっといい話

公開日
2022/01/27
更新日
2022/01/27

お知らせ

   一コ上のおにいちゃん 

 3歳ぐらいの時から、毎日のように遊んでくれた1コ上の兄ちゃんがいた。成績優秀でスポーツ万能。しかも超優しい。1人っ子の俺にとって、本当のお兄ちゃんみたいな存在だった。小4の時、真冬にサッカーしてて林に入ったボールを取って戻ってきたら兄ちゃんが倒れてた。慌てて抱き起こしたら吐いちゃって、その時は「風邪ひいてる」って言われてバイバイした。しばらくして入院したって聞いて、病名も知らないのにお見舞いに行った。退院できたけど学校には滅多に来なくなった。外で遊んじゃいけないらしいんで、毎週土日は兄ちゃん家に遊びに行った。「しばらくしたら絶対よくなって、また外で遊べる」って思ってた。親にも兄ちゃんのママにも、「そのうちよくなる」って言われたし……。ある日、「やけに兄ちゃん家に抜け毛が多いな」って事に気付いた。身長も俺のほうが高くなったし、外に出ないから肌真っ白だし、腕も超細いし。その事を親に話したら、「脳腫瘍っていう難しい病気なんだよ」って初めて聞かされた。兄ちゃんがあんまり長くないって事、何となく分かった。それから急に顔合わせるのが辛くなった。遊びに行く機会が段々減っていって、最後は全く遊ばなくなった。しばらくして、夕方のニュースで「病気と闘う中学生」みたいな感じの特集に兄ちゃんが出てた。
 結局会う事になったのは2年ぶり、兄ちゃんが棺の中に入った時だった。兄ちゃんのママから「何か言ってあげて」って、優しい声で言われた。俺が遊びに行かなくなってから、「どんな気持ちで毎日家の中で過ごしてたんだろう」って考えたら胸が張り裂けそうになって、何も言葉にする事ができなかった。結局自分の事しか考えて無かった。もっと沢山会ってあげればよかった。本当にごめんね。謝っても謝り切れないけど……。
 あれからは身近な人を、いつでも大切にしようって思えるようになったんだ。今年も線香あげに行くよ。