ちょっといい話
- 公開日
- 2022/01/11
- 更新日
- 2022/01/11
お知らせ
「産んでくれてありがとう」と母に言いたい
中学の夏休みに母親と大喧嘩した。家を飛び出し、朝まで繁華街とかをぶらついた事が1回だけあった。帰ると家族全員が居間に居た。夜勤の父は職場から抜け出して帰ってきていた。普段仲の悪い兄も、車で私の事を朝まで捜していたらしい。怒られると思ったら父が「帰ってきてよかった。飯食え」と言った。でも、私はまだ母が許せなかったので、口も聞かず部屋に閉じこもった。数日後、父の部屋の本棚で初めて見るアルバムを見つけた。赤ん坊だった私の写真が貼ってあった。その横に母の日記が書いてあった。それによると、私を産んだとき母は難産だったらしく、産まれた後も未熟児だった私の世話が大変だったらしい。私の写真は2歳ごろまで貼ってあり、最後の方のページに「産まれてきてくれて、ありがとう」と書いてあった。それを見て、私は大泣きした。母と喧嘩した時に、「何で私なんか産んだんだよ」と言ってしまった自分は、本当に馬鹿だと思った。母はそれを聞いた時、どんな気持ちだったんだろうと思うと凄く泣けてきた。
その日、母に謝った。それから、いつか「産んでくれてありがとう」と母に言いたいと思っている。
